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小林製薬の「紅麹サプリ」をきっかけにカビ毒の復習

薬太郎
薬太郎

小林製薬の「紅麹サプリ」による健康被害の原因はシトリニンではなくてブペルル酸だったようです。
カビ毒は肝毒性、腎毒性、ガンや造血免疫抑制などあるため注意が必要です。
患者さんに聞かれた時用に説明できる内容をまとめました。

カビ毒は結構危険なものが多い

久々に衛生の授業に戻った感覚ですが、カビ毒は結構危険なものが多いです。

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kabi/files/kabi.pdf

  • アフラトキシン
  • フザリウム系カビ毒
  • オクラトキシン
  • シトリニン

アフラトキシン

菌種(Aspergillus flavus、Aspergillus parasiticus)

アフラトキシンB1は天然物でもっとも強力な発ガン物質として知られています。
人に対する急性中毒の例としては、1974年にインドで肝炎のために106名という多くの
人が死亡した事件やケニヤでの急性中毒事件などがあります。

東京都では広範囲な食品について検査を行っていますが、ピーナッツ及びピーナッツバターな
どの加工品、トウモロコシ、ハト麦、そば粉などの穀類及びその加工品、ナツメッグ、白コショ
ウなどの香辛料、ピスタチオナッツ、製あん原料雑豆、ナチュラルチーズなど多くの食品から検出し、行政的に対応しています。

しかし、検出されたものの大半は微量であり、直ちに人の健康に影響を与える心配はない量です。

また、アフラトキシンが検出されたものはすべて輸入食品であり、国産品からは検出されていません。

フザリウム系カビ毒

菌種:(F.oxysporum、F.solani、F.graminearum)

フザリウム属のカビは、畑等の土壌に多く生息し、特に麦やトウモロコシについてカビ毒をつくります。

これらが生産するカビ毒は、化学構造により、トリコテセン系カビ毒、ゼアラレノン、ブテノライド、モニリホルミンなど多くの種類が知られています。

トリコテセン系カビ毒の中毒症状としては、悪心、おう吐、腹痛、下痢が主なものですが、造血機能障害、免疫機能抑制作用などもあります。

オクラトキシンA

菌種:Aspergillusu ochraceus、Penicillium viridicatum)

オクラトキシンAは腎毒性及び肝毒性のカビ毒として知られていますが、マウスにオクラトキシンを食べされると、肝臓と腎臓にガンを発生させることが報告されています。

人の発症例としては、バルカン諸国で流行性腎臓病がしばしば発生していますが、これもオクラトキシンAが原因とされています。
オクラトキシンAの汚染は非常にまれですが、コーヒー豆、豆類、大麦、小麦、燕麦などから検出したという報告があります。
東京都の検査では、ハト麦、そば粉、ライ麦及び製あん原料豆などから検出されています。

シトリニン

シトリニンは、ペニシリウム・シトリナム(Penicilliu citrinum)、ペニシリウム・ビリディカータム(Penicilliu viridicatum)などのカビによってつくられるカビ毒で、腎細尿管上皮変性を起こ
すことが知られています。


東京都の検査では検出例は非常に少なく、その量も極めて少ないものですが、ハト麦、そば粉、ライ麦粉から検出したことがあります。

麹などの発酵食品はカビの力によって生み出される

かび毒を産生するかびがいる一方で、私たちの身の回りには暮らしに有用なかびが数多く存在し、これまでにも有効活用されています。

その例として、 みそやしょうゆなどをはじめとする様々な発酵食品があり、これらの食品はかびの力によって生み出されるものです。

しょうゆやみりんなどの調味料をはじめ、世界中でも類を見ないほど様々な発酵食品を利用しているわが国は、最も上手にかびを活用している国でもあります。

また、抗生物質や酵素製剤など医薬の発展に貢献してきたカビも数多く存在します。

カビは健康に良い発酵食品を作る作用もありますが、カビ毒という人体に有害なものを作る作用もあります。

カビ毒は熱に強く家庭調理で分解できない

1 カビ毒は熱に強い
カビ毒は、通常の調理や加工の温度(100℃から 210℃)や時間(60 分以内)では、完全に分
解することはできません。


2 カビ毒は家庭の調理で分解できるか
ゆでる、炒める、炊飯などのごく一般的な調理方法でカビ毒が減れば安心なのですが…
たとえば、ゆでた場合では、食品に 50 から 80%のカビ毒が残り、ゆで水には10から 15%ほ
どが検出されます。この事からゆでることによってはカビ毒はほとんど分解しないことがわかり
ます。
同じように、油で炒めたり、米を炊飯してもカビ毒はほとんど減りません。

原因物質は「シトリニン」ではないとのこと

最初シトリニンが怪しいと思われましたが、プベルル酸という発表がありました。

プベルル酸はどうやってできるのか

P. aurantio-virens Biourge、P. johannioli Zaleskiなど複数のアオカビの培地からプベルロン酸: puberulonic acid)と同時に得られることが知られている[6][7]

プベルロン酸は存在下で100 °Cに加熱すると脱炭酸によりプベルル酸となる[8]

プベルル酸は抗生物質や抗マラリア薬に似ている

比較的弱い抗生物質との報告がある。

グラム陽性菌にある程度の作用を示すが、グラム陰性菌には作用が微弱である。

一方で、抗マラリア作用が報告されており[9]クロロキン抵抗性マラリア原虫K-1株に対するin vitroでのIC50は0.05 μMである[10]

生体内での毒性も高く、マウスを用いた評価では、5 mg/kg×2回の皮下投与で5匹中4匹のマウスが3日目までに死亡している

薬太郎
薬太郎

ちょっと珍しいですが、7環の有機物質ですね!細胞毒性が強いから医薬品には応用できなませんね。

健康食品の発酵食品に関してはしばらくは控えたほうが良いと案内か。

発酵食品自体がどうしても有害物質を作りうる可能性があります。

工場の管理体制に問題があると厨房で食中毒が発生するように、工場から有害物質が産生されることもあります。

「紅麹」に原因があるわけではなく、工場の管理体制の問題のようですので小林製薬以外のサプリは大丈夫と案内して良いでしょう。

まとめ

  • カビ毒は有名なものでアフラトキシン、フザリウム系カビ毒、オクラトキシン、シトリニン
  • 肝機能、腎機能障害や造血や免疫抑制作用やガンになるものがある
  • 小林製薬の「紅麹サプリ」の原因物質はシトリニンではなくてプベルル酸
  • プベルル酸は抗生物質や抗マラリア作用がある
  • 発酵食品自体に有害物質を作りうる可能性もあるが、とりあえず小林製薬以外は大丈夫と思われる



プロフィール
この記事を書いた人
薬太郎

現役薬剤師、管理薬剤師。

グループ病院にて5年勉強。
100床程の病院にて医薬品安全管理責任者
感染対策委員会や医療安全委員会にも携わる。
その後、調剤薬局で様々な店舗を経験。

薬剤師以外の方が作っている転職サイトが多いため、転職の現場に沿った内容を伝えていきたいと思います。

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