薬剤師は食いっぱぐれがないというのが強みである。
医療系の資格業は安定していると思います。
基本的には食いっぱぐれがないというのが一番の強みでしょう。
そして薬剤師は今後も食いっぱぐれの少ない職種だと言えるのではないでしょうか。
どうしてかというと、薬って年々増えていくんですよね。
毎年20種類くらいの薬が世に発売されまして、そのうちの数種類は絶対に覚えなければならない薬達なので毎年勉強します。
つまり毎年いくつも薬が出てきて、さらにその薬だけでなく今までの薬で新しい効果があったとかいう情報もあるので毎年覚えることが多いです。
もう定年間際の薬剤師おばちゃん方は昔はかなりの知的な方でバリバリ暗記とかできる方だったと思うのですが、今は追いついていくことが困難になっています。
一旦薬局とか病院とかではなくてメーカーとかに勤務したらまた戻ってきて薬を覚え直すのは結構困難かと思います。
薬学部の新設ラッシュがありまして、偏差値40くらいの薬学部もできたようですが、
結局偏差値40くらいの人は薬剤師国家試験受かっていない方が多いと思います。
要するに薬剤師国家試験に受かったり現場でお薬の知識をアップデートし続けていくというのはそれなりに苦労したりやることが多いです。
今後なりうるのは薬剤師資格がある人の定期的な更新試験というのが出てくる可能性があります。
今は認定薬剤師の更新をやらざるをえない雰囲気になっていますが、これが強制的になってくる日が来るのかもしれません。アメリカみたいに。
そうすると、薬剤師として現場で専門性を発揮できる人は限られてしまうしそこ自体にハードルが高くなってしまうので薬剤師自体がそれほど増えない。
そして、需要は大きく拡大はしないけどやや増えるくらいとしても相対的に薬剤師はこれからも忙しく、あちこちで引っ張りだこになることかと思います。
あとは薬の相談ってAIには置き換わりにくいのかもしれません。
例えば薬の説明をするとき、患者さんに添付文書通りに読んであげたらどうなるでしょうか。
インターネットでいつでも閲覧できると思いますが、
例えば稀に起こる副作用で横紋筋融解症が起こります。
とか言われてどうなるでしょうか。
添付文書通りに読まれたら患者さんは混乱するでしょう。
そして薬を飲まないしなんでそんな薬を投与するんだ!って怒り出すでしょう。
薬はそもそも毒です。
それをさじ加減で使用して薬としてメリットを発揮させるのが医療者の勤めです。
言わなくていい、言うべきでない副作用はなんなのか、逆に言うべきことは何なのか。
それを人ごとに判断するのは薬剤師の職務です。
この人にはこれを言うべきだけど、この人は言っちゃだめだなーって
ありますよね??
つまり服薬指導というのは個人ごと異なった状況を加味した上で行うのでその全てのパラメータを入れてあとは感情とか性格とかを加味した上で行わなければなりません。
カウンセリング的な傾聴力も必要です。
コンピュータに「あなたは薬が正しく服用できなくてとても悔しい思いをしているのですね?」
と言われて素直に答えますか?
人間に言われて初めて、ああこの人はわかってくれるんだなって思うでしょう。
そういうことを考えると、AIとかアマゾン薬局とかすぐには流行らないかなと考えています。