えんじょい薬剤師!

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粉砕調剤について

粉砕調剤について

薬剤師 粉砕調剤


こんにちは、タカシです。

 

粉砕調剤についてですが、私は若い時は病院で粉砕当番などで一日中粉砕調剤をしていた経験があります。

その日は朝から晩まで粉砕に没頭する。
そんな日でした。


当時は簡易懸濁法というのもなく、全ての経管栄養は粉砕をさせるという状況でした。
今はどこの病院も簡易懸濁法を採用して粉砕指示は減っているかとは思います。


介護の現場においては粉砕指示は結構多いです。
これについては実は経管栄養とかそういうわけではなく、ヘルパーさんの負担軽減のために粉砕してほしいという欲求が強いです。

本当に介護の闇じゃないですが、服薬解除、食事解除がかなり負担になっている時があります。
人も足りないですし。

そういう時に薬を粉砕してしまい、ご飯にまぜ、それを食べさせるという方法をとっているところがあります。

これは本当に問題があるやり方だなと日々思います。

薬剤によっては粉砕することで物凄い苦味を発するものや、痺れを発するものがあります。
そういうものがご飯に混ざるわけですから食事量も当然下がってくる。
それでエンシュアなどが処方される。

食事しか楽しみがないのにその食事すら楽しめない。
そういう状況で今度はまずいエンシュアが出てくる。

とりあえず生かされるためにケアされるだけの介護。

そんな現場多くないですか?ヘルパーさん?

これは別に介護している方がいけないのではなく、そういう医療の教育というのが必要なのだと思います。

薬剤師として介護の現場に入ったときは粉砕のデメリットについてよく話しています。
まずは薬効の低下が起こるものがある。


品質が低下したりすると効果がなくなってしまいます。
あとは味の話をしたりします。

例えば抗不整脈の薬は局所麻酔薬に構造が似ているものが多いです。
局所麻酔作用があるこの抗不整脈薬を脱カプセルしたり粉砕したりして舌に転がしたらどうなるでしょうか?

そう、舌が痺れてそのあと食べたものの味とか一切感じなくなってしまうのです。

 

こうやって食事量が減っていくのは介護的にも問題ではないでしょうか。

介護の現場からそういうことを考える余裕がないのは十分わかります。とても回らないのでふりかけにして薬を飲ませる気持ちは大いにわかります。

でもそうする前に一言、薬剤師に相談してほしいですね。

そして、薬剤師の皆さんはポンコツ薬剤師ではなく、正しい情報を提供してほしいと思います。